30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

MENU

外国人技能実習で介護職員不足を解消する発想はおかしい

f:id:social-walfare-work:20180111192638j:plain

介護が外国人技能実習の対象になったけど・・・

 

2017年11月外国人技能実習制度で

新たに「介護職」が加わりました。

 

今までは農業や漁業などが対象となってましたが、

人を相手にするサービスは初めての対象となります。

 

人材不足が深刻な介護業界にとっては、

期待できるという声が上がっていますが、

果たして本当にそうなんでしょうか。

 

というか、外国人技能実習で

介護職員不足を解消する発想自体おかしいのでは・・・

 

そもそもこの制度ができた背景は、

日本の人口が減少し、労働力も不足しているため、

 海外からの労働力に頼りたいという我が国の事情があります。 

 

でも、外国の方に働いてほしいけど、ずっと住んでもらっては困るから、

外国人技能実習制度という抜け穴を作りました。

 

その結果、実習生を搾取するブラック企業が現れるだけでなく、

実習を抜け出して、行方不明になる研修生も増加しています。

 

なので、今回は外国人技能実習について考えていきます。

 

外国人技能実習制度とは

 

1993年に農業や製造業を対象に始まった制度で、

現在は建築・土木、衣服・繊維・食品加工など他業種にわたり、

およそ23万人の外国人が技能実習を受けています。

 

外国人技能実習制度は 

「国際貢献」「人材育成」が目的にあります。

 

発展途上国などの人々が技能実習生として日本に来て、

企業に請負ってもらい専門的な技術を学び、

自国の発展に貢献してもらうための制度です。

 

滞在期間は3年ですが、

場所によっては5年間に延長することもできます。

 

技能実習生にとって、働きながら日本の技術を学べ、

雇った企業側にも国際交流ができるというメリットがあります。

 

外国人技能実習はむしろ日本の印象を悪くしている

しかし、国際貢献・人材育成で始まった制度は

うまくいくどころか、かえって日本への印象を悪くしているようです。

 

2015年、龍谷大学の研究団体が外国人技能実習制度に

参加するベトナム人を対象にしたアンケートを実施。

 

その結果、実習前は日本に良い印象が97%だったのに、 

実習後には58%に激減していました。

 

その理由として上がったのは

  • 給料が安い
  • 単純作業ばかりで帰国後の就職に役立たない
  • 自由がない
  • 狭い部屋に大人数で住まわされる

実習生に低賃金・重労働をさせるブラック企業の存在が

あることわかります。 

 

また「企業側に知られたくない」から、

アンケートの回答を断るケースも多数ありました。

 

せっかく希望を持って日本に来たのに、

劣悪な労働環境におかれ、実習生を失望させています・・・

  

さらに、実習生になるためには

日本語だけでなく、文化やマナー、挨拶やゴミ出しの分別まで

基本的な技術を多く学び、最終的に試験で合格しないといけません。

 

技術を学ぶためにたくさん苦労したのに、

日本でひどい待遇や労働内容、生活環境で働かされたら、

その失望感は強まるでしょう。

 

多額の借金で帰国ができない

 

たとえ劣悪な労働環境に置かれても、 実習生には

帰国」という選択肢も取れるはずです。

 

しかし、それが簡単にできません。

 

原因は実習生が日本で稼げると期待して

多額の借金して来日をしているからです。

 

実習生になるためには

各国の「送り出し機関」が窓口となっていますが、

これも大きな問題なんですね・・・

 

送り出し機関とは

実習を受け入れてくれる日本の企業と契約を結び、

そこに実習生を派遣する機関のことです。

 

また、研修前に日本語教育などをして

実習生のサポートもしています。

 

でも、実習生は日本語の授業料やビザ(査証)やパスポート、

各種の必要書類など高い費用を支払っています。

 

各国によって費用差がありますが、

大体100万円ぐらいかかるようです。

普通ではなかなか用意できる額ではありません。

 

なので、送り出し機関は「日本で働けば稼げる」とたくさん宣伝し、

多額の借金させて研修生を獲得しているという現実があります。

 

日本で働いてみると非常に安い賃金で、

全く稼げないことを知り、

その借金に苦しむことになります。

 

また、受け入れた企業が実習生を強制帰国させることもあるので、

就労環境や賃金の処遇などに問題や不満があっても、

そう簡単には言えません。

 

たとえ母国に帰り、普通に働いても、

日本と経済格差がある発展途上国では、

100万円規模の借金を返すのはとてもキツイこと。

 

結局、劣悪な労働環境でも我慢して働いてしまうのです。 

 

また、送り出し機関の中には数十万円の保証金を支払い、

勝手に帰国したら、全額没収のペナルティを課す機関もあります。

 

多額の保証金も実習生を拘束している要因となっているんですね・・・

 

技能実習生が失踪するケースが増えている 

大きな借金をして、自由がない実習生の中には

失踪する人たちも多くいます。

  

また、法務省入国管理局によると

技能実習生の不法滞在は年々増加傾向に・・・

  • 2011年 3人
  • 2012年 641人
  • 2013年 1,614人
  • 2014年 2,830人
  • 2015年 4,679人
  • 2016年 5,904人
  • 2017年 6,518人

在留期限のある時期に失踪して、

難民申請をすれば働き続けられる抜け穴を

狙う人も出てきています。

 

このまま放置してれば、難民や不法滞在者を増やし、

犯罪や違法労働につながる危険性も十分考えられるでしょう。

 

海外の労働力に頼るのはもうやめた方がいい

 

外国人技能実習制度は「国際貢献」を掲げたものでしたが、

実際は悪質な企業による搾取が行われ、多くの失踪者を出しています。

 

しかも、国連では「奴隷制度」と非難を受けています・・・

 

もう外国の方で労働力を補う発想はやめたほうがいいですよ。

 

それよりも日本人が働きやすい環境を整え、

人口減少に対応できる社会を作るべきではないでしょうか。

 

賃金や研修制度を充実させて日本人労働者の質を上げたり、

IT技術やロボットを活用したりする努力を

本気で考えるべきだと思います。