30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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介護の仕事で「褒められること」は嬉しいけど、それを「やりがい」にしない方がいい

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はじめに

 

介護のやりがいといえば、

「利用者から感謝される」

というのは、よく言われます。

 

介護はハンディキャップを持った高齢者を

支える仕事であり、利用者に褒められると嬉しくなるものです。

 

だから、それをやりがいにして、介護を頑張っている人も

いるかと思います。

 

しかし褒められることを「やりがい」にすると、

大きな罠にかかることがあるんです。 

 

今回は「褒められること」の問題について、

考えてみました。

 

利用者は本当の気持ちを言わない

 

褒められる・感謝されるというのは、

相手が自分に好意を示してくれて、気持ちがいいものです。

 

自分が行った介護で高齢者が「ありがとう」と言われたら、

やっぱり嬉しくなり、キツイ仕事でも頑張ろうと思えます。

 

しかし、

その感謝の言葉は本当の気持ちなんでしょうか。

 

お年寄りは、介護をする相手の善意に応えるために、

気を利かせて感謝を言う時があります。

 

特に、周りの人たちのおかげで生きてこれたと思う、

嫌われると面倒見てもらえなくなると心配する高齢者は、

相手の善意を断ることができません。

 

だから、介護を受けている本人はしんどいと感じながらも

「ありがとう」言ってしまうのです。

 

その「ありがとう」を褒められたと介護者が勘違いをすると、

相手の気持ちに気づかないまま、善意を押し付けてしまいます。

 

利用者は「本当の気持ちを言わない」ということを前提に、

感謝の言葉を鵜呑みにしないことが大切です。

 

そして、感謝の言葉の裏にある感情を意識してみると

いいでしょう。

 

感謝は依存する 

 

褒められると相手との信頼関係が良くなったと思い、

もっと褒められたいと思ってしまうもの・・・

 

それが仕事のやりがいになってしまうと、

大きな問題が出てきます。

 

それは「褒められる」ために、介護を頑張ってしまい、

相手よりも、自分中心な介護になっていくのです。

 

そして、お年寄りも負担がかかっているのに、

我慢させて、ツラい思いをさせて「ありがとう」と言ってしまいます。

 

また、褒められることで、さらに相手の承認を求めて、

さらに褒められようと悪循環に・・・

 

つまり、「褒められること」は依存を引き起こし、

感謝の言葉で自分を癒すための介護になってしまうのです。

 

しかし、本人は「いいことをしている」と思っているので、

自己満足な介護をしていることに気づきません。

 

ときに、頑張っているのに何も感謝してくれないと

介護者がイライラしてしまう原因にもなります。

 

最後に

 

 

介護は感謝されることがやりがいだと

言われますが、実はそう思った瞬間、

自分中心の介護になっています。

 

「褒められたい」自分がいる限り、自分にしか意識がないため、

相手の話を傾聴することはできません。

 

そんな介護にならないためには、

褒められることを目的に介護をしないことです。

 

しかし、

自分の気持ちを捨てて、相手に真剣に向き合うのは

とても難しいこと・・・

 

なので、自分が相手に「褒められた」時の感情を、

観察して、自己覚知をしてみるのもいいでしょう。

 

自己覚知については以下の記事で解説しています。

ご参考まで。

 

www.social-walfare.work

 

自己覚知をしてみると、感謝の言葉で振り回されている自分を

発見できるかもしれませんよ。