30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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介護をロボットに任せるよりも、自分が実現したい事のために使われるべき!

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はじめに

高齢化が進み、介護人材が不足する中、

介護ロボットを導入しようとする流れが出てきています。

 

国も介護ロボットの推進に積極的で、

2018年の介護報酬改定では、ロボットを使う施設に

特別な加算を設ける議論もあったぐらいです。

 

しかし、わたしはロボットに介護を任せるって大きな課題がある気がします。

 

今回はそんな介護ロボットについて考えてみました。

 

介護ロボットに頼ったら障害を知る機会が減る

ロボットに介護を任せるメリットといえば・・・

  • 介護者の身体的・精神的な負担が減る
  • おむつ替えや入浴のとき、利用者が恥ずかしい思いをしないてすむ
  • 導入をする介護施設は国からの補助金などの手当がもらえる

など、いろいろあげられるかと…

 

しかし、人の手で介護をしなくなると、

私達はハンディキャップを知る機会を失います。 

 

健常者である私たちは「ハンディキャップ」といっても、

漠然としたイメージだけで、実際に知らないのではないでしょうか。

 

これを放置しておくと、障害者に対して

差別や偏見につながる恐れもあります。

 

だから、障害を持つ人に直接会うことは

ハンディキャップを知る上でとても大切です。

 

また、介護というのは、

目が見えない、足が動かないなどの「障害」をもった高齢者を

支えることであり、わたしたちが障害を知るきっかけになります。

 

また、健康な人が介護を通して、ハンディキャップの大変さを知ることで、

自分が五体満足で暮らせるありがたさに気づくことができます。

 

健常者だけでなくハンディキャップを持つ人も

一緒に暮らせる社会、つまり「ノーマライゼーション」には

これらの気づきが大きなヒントになります。

 

介護をロボットに任せるとラクですが、

人の手で介護する方も大切な意味があることを忘れてはいけません。

 

介護ロボットは自分が実現したい事のために使うべき

 

介護ロボットの話となると

「介護をする側」がメインになりがちです。

 

どうしても介護者である家族や施設職員の負担軽減できるのかが

争点になってしまいます。

 

しかし、先ほども言いましたが、ロボットに任せるのは

ノーマライゼーションの視点から、あまりオススメはできません。

 

ただし、介護ロボットは「介護される側」の視点に立って、

使われるべきです。

 

最近、注目を集めているオリヒメ(OriHime)というロボットがあります。

 

 

障害で全くしゃべれず、

目の眼球しか動かせない不自由な人のために作られた、

遠隔操作をして動かす分身ロボットです。

 

眼球の動きでオリヒメをコントロールし、

文字を入力して音声にしてくれたり、

ドアを開けたり、物をつかんだりして移動も行うことができます。

 

 

このロボットのおかけで、神経難病を患った人でも、

人の会話やコミュニケーションができ、

ロボットを使って働けることも可能になりました。

 

障がいを持つ人の中には「働きたいのに働けない」など、

実現したいことがあるけど何もできない問題を抱えています。

 

この「オリヒメ」のように、ロボットは

障がい者の実現したい事のために使われるべきです。

 

そうすれば、ロボットに介護の仕事を奪われずに、

うまく人間と共存ができる気がします。