30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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やりたくない仕事にどう向き合うべきか、真剣に考えてみた

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わたしは高齢者デイサービスで

7年以上働いています。

 

小規模で給料は低いですが、

家から近くて、スタッフの関係も

とても良い職場です。

 

しかし、2018年に介護報酬改定があって

職場もそれに合わせて、高齢者の自立支援に

力を入れるようになりました。

 

もちろん、前よりやることは増えて、

多忙になった上、インセンティブもなく、

仕事に興味が湧かなくなりました。

 

2018年は私にとって、

やりたくない仕事にどう向き合うべきか

真剣に考える年でもありました。

 

なので、今回はやりたくない仕事について

考えていきたいと思います。

 

きっかけは、2018年の介護報酬改定

2018年は介護報酬改定がありました。

 

介護報酬改定とはざっくりいうと、

国が介護サービスの価格を見直すことです。

 

この改定は3年に1度ありまして、介護報酬が下げられると

介護施設が窮地に立たされ、職員の給与にも影響を与えます。

 

2018年の介護報酬改定では大幅な引き下げはなかったので、

ひと安心でしたが・・・

 

その一方、自立支援介護を行った介護施設には

優遇するような方向性を出してきました。

 

自立支援介護というのは、

高齢者が自分で自分のことを行えるように介護する

ということです。

 

わたしの高齢者デイでも、その流れを受けて、

自立支援介護にシフトするようになりました。

 

しかし、それが問題だったのです。

 

自立支援介護「竹内理論」の導入

 

わたしの職場では、

自立支援介護を行うために「竹内理論」に基づいた

プログラムを導入しました。

 

竹内理論とは国際医療福祉大学院・竹内孝仁教授が

提唱している方法です。

 

ざっくり説明すると

・一日1500mlの水分を飲ませる

・オムツを外して、トイレで排せつを行う

・毎日、歩行訓練を行う(寝たきりの人も含め)

・食事を常食に戻し、一日1500Kcal以上摂取する

 

この4つのケアを行うことで、認知症は治り、

オムツは使わず、歩行も自立して

寝たきり状態から回復し、胃ろうも外せるらしいです。

 

しかし、介護をする側にとっては、通常の業務に加え、

この4つのケアを利用者全員にしなければならないので、

相当な負担になりました。

 

しかも、経費削減で介護職員を増やすこともできませんし、

ケアを行っても特別に手当てが出ることもありません。

 

ただ、職場の上司は、

「竹内理論を実践すれば、利用者は元気になって、

介護の負担は減る」と断言していました。

 

しかし、スタッフ間では負担増で、

不満が非常にあったことは事実です。

 

竹内理論の問題点

 

わたしは社内研修で「竹内理論」について

一通りレクチャーを受けました。

 

講師もこの理論を実践して、

オムツゼロや水分1500ml摂取を行い、

結果を出された人なので、説得力はある感じです。

 

なにより、竹内理論は「認知症」を病気として捉え、

症状を治す視点でケアを行います。

 

しかし、認知症は「病気」ではありません。

 

病気や老化などで起きた脳の萎縮・疾患により、

日常生活に支障が起きた状態を指します。

 

だから、認知症状があっても、

生活が普通にできていれば認知症とは呼びません。

 

認知症を「病気」として扱う視点が

治療を優先し、利用者の気持ちを軽視していると

感じて、竹内理論への興味はゼロになってました。

 

やりたくない仕事との葛藤

 

わたしは、歩かせる・十分な食事を与える・水分を取るケアよりも、

洗濯ものを畳む、洗った食器を拭くなど生活につながる

支援を行いたいと思っている立場です。

 

だからこそ、竹内理論を導入した職場が、

非常に働きづらく感じていました。

 

決して、竹内理論によるケアが悪いという事

ではありません。

 

このケアを通して、歩けたり、オムツが不必要になったり、

食事が常食で食べられるようになれば高齢者は嬉しいはずです。

 

しかし、わたしは

そのような治療的なケアよりも、ユマニチュードの

ような相手の関係性が大切だと思っています。

 

わたしにとって、相手の目を見る、触れる、話しかけるなどの

コミュニケーションが認知症ケアの根幹にあります。

 

だから、興味がない仕事について

どうしたらいいのか真剣に考えるようになりました・・・

 

わたしが出した結論は・・・

 

やりたくない仕事を続けていくうちに、

この職場を辞めようかと何度も思いました。

 

正直、介護の他にもやりたいことがあったので、

思い切ってそこに挑戦してみようかと思ったこともありました。

 

ただ、職場のスタッフは良い関係だし、自宅からも近いため、

好き嫌いで辞めるのは勿体ないという気持ちもあります。

 

そんな感じで色々考えていたら、何とか結論がでました。

 

それは、 

 

やりたくない仕事でも、全力で取り組んでから、

辞めるかどうか決めれば良い

 

ということです。

 

まず、やりたい・やりたくないということで、

仕事を考えるのを辞めて、相手に認められるぐらい

人一倍頑張ろうと決めました。

 

そして、わたしが抜けると困ると思うくらい働いてから、

今後の仕事について考えようと思っています。

 

それからは、仕事に関してもやる気を取り戻し、

スタッフ2人分の仕事量をこなしています。

 

まとめ

 

今回は、やりたくない仕事にどう向き合うべきか、

わたしの体験をベースにお話しました。

 

やりたくない仕事だったら、辞めてしまうのも

一つの手だと思います。

 

しかし、好き嫌いで決めるのではなく、

まず全力でやってみることも大切ではないでしょうか。

 

誰よりも倍以上に働いて、会社から認められる存在になってから、

辞める方が、自分の成長にもつながるし、

雇う側にとっても、ありがたいことです。

 

転職しやすい社会だからこそ、好き嫌いで辞めることが

簡単になってきましたが、やりたくない仕事も

やる価値はあると思います。