30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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社会福祉士の給料が安い原因は何か、世界幸福度から考えてみた

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2019年社会福祉士の試験で、

国連の世界幸福度調査について取り上げられました。

 

実は、世界幸福度のデータから 

「なぜ社会福祉士の給料が安いのか」

分かります。

 

今回は社会福祉士の給料が安い原因を

世界幸福度から考えてみました。

 

世界幸福度から分かる事

 

国連が発表する「幸福度報告」においては、

GDPや健康寿命など6つのカテゴリに分けて報告しています。

 

ここで注目してほしいのが、「寛容さ」のカテゴリです。

 

世界幸福度の「寛容さ」 は、

過去1か月の間にチャリティ等に寄付したか

が調査の対象となっています。

 

日本は「寛容さ」の分野では、156カ国中92位と

先進国では最低の順位でした。

 

この寛容さの無さは、社会福祉士にとっては

かなり深刻な問題です。

 

民間組織やNPO法人などインフォーマルな

組織にとって、寄付は貴重な財源になります。

 

しかし、日本は寄付しない人が多数なので、

インフォーマルな組織では安定した収入を手に入れません。

 

そうなると、社会福祉士は福祉施設や病院、行政機関など、

給料が安定しているフォーマルな職場につきやすくなります。

 

社会福祉士の給料が安い原因とは 

 

本来、給料を上げるなら、提供しているサービス料金を

引き上げればいいんです。

 

一般的に民間企業などのインフォーマルな組織なら、

自由に価格を変えることができます。

 

しかし、病院や福祉施設など公的な機関では

「税金」が主な財源になるため、

料金を上げるとその分、国の負担も増えてしまいます。 

 

なので、国はその負担を調整するため、医療・介護サービス価格の

決定権を持っています。

 

いわゆる「医療・介護報酬」っていうやつです。

 

公的な機関への依存度が大きい社会福祉士にとって、

この価格変動はとても影響を受けてしまいます。

 

皆さんもご存知のように、

日本は約1000兆を超える借金を抱えており、

年金や介護・医療など「社会保障関係費」を

削減しようとしています。

 

だから、国の財政が厳しくなると、

サービス価格は上昇する見込みはなく、

給料も低いままなんです。

  

解決にはどうすればいいのか

 

社会福祉士は安い給料の上に、医療・介護制度ともに評価は低く、

地域包括支援センターでの配置義務があるぐらいです。

 

もっと、社会福祉士は

国へのソーシャルアクションを起こす必要があります。

 

では、具体的どうすればいいでしょうか。

 

一つのヒントとして、

「日本看護協会」を取り上げてみようと思います。

 

日本看護協会は

その名の通り、看護師による職能団体です。

 

実は昔、看護師も社会福祉士と同じ給料が低く、

社会的な立場もあまり良くありませんでした。

 

なので、1959年に日本看護協会は

「看護職の地位向上・環境改善に政治の力が必要」として、

看護連盟を創設し、ソーシャルアクションを起こしています。

 

その結果、看護師の給料を上げることができたのです。

 

また、現在、看護協会の会員数も約72万人と多く、

いまだに政治に強い影響力を保っています。

 

一方、社会福祉士には「日本社会福祉士会」という

全国規模の組織がありますが、会員数は約4万人程度

 

看護協会に比べ圧倒的に人数が少なく、

ソーシャルアクションができていないのが現状です。

 

だから、日本社会福祉士会の会員数を増やして、

組織の力を強くしていくことが第一歩になります。

 

まとめ

 

世界幸福度から、

どう社会福祉士の給料に影響を与えるのか考えてみました。

 

日本はチャリティに寄付をほとんどしないため、

病院や福祉施設などフォーマルな場所でないと

安定した給与がもらえない現実があります。

 

しかし、公的な機関の主な財源は税金であり、

国がその配分を決めており、医療・介護サービス価格の

決定権を握っています。

 

しかし、日本は1000兆円も超える借金を抱えているので、

価格上昇はできず、給料も安いままなんです。

 

そして、解決の糸口として、

日本社会福祉士会の会員数を増やして、政治への発言力を強める

ソーシャルアクションが大切になります。

 

現在、日本社会福祉士会の会員数は4万人と少ないです。

 

本気でこの現状を変えたいと考えている社会福祉士の方は

ぜひ入会を考えてみてはいかがでしょうか。