30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

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【社会福祉士試験対策その5】ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークについて

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第31回社会福祉士国家試験で

ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークについて

出題されました。

 

この問題を見たとき「ポストモダン?何それ!」

と思った方もいたのではないでしょうか。

 

なので、今回は「ポストモダンとソーシャルワークの関係性」について

簡単にまとめてみます。

 

ポストモダンとは

 

ポストモダンの「モダン」は近代、

「ポスト」は後のこと、つまり近代の後という意味です。

 

そして、「ポストモダン」を流行語にしたのが、

フランスの哲学者ジャン・フランソワ・リオタールです。

 

彼は1984年に『ポストモダンの条件』を発表し、 

モダン(近代)を「大きな物語」と表現し、ポストモダンは

大きな物語の終焉によって出現したとされています。 

 

では、「大きな物語の終焉」とは何でしょうか。

 

近代より昔は封建制度のようなルールに縛られて、

人々は不自由だったし、労働も手作業でコスパが悪い時代でした。

 

だから、近代(モダン)では伝統的なルールをやめて人々が自由になり、

科学技術の進歩で生活が楽になれば、

誰もが幸せになれると思っていたんです。

 

つまり、近代(モダン)には「みんなが幸せになれる」大きな物語があり、

みんなが同じ方向に向かっていれば良いとされていました。

 

しかし、人々が伝統的なルールから解放され、

テクノロジーが発展すると、ホロコーストのような大虐殺、

破壊兵器の登場、環境破壊などの問題が出てきます。

 

その結果、「皆が幸せになる」という

人類に普遍的なものは幻想だと唱えるポストモダンが現れました。

 

これを「大きな物語の終焉」と呼び、

ポストモダンは「人はそれぞれ違う」という多様性を

尊重し、やがてソーシャルワークにも影響を与えることになります。

 

ポストモダンの影響を受けたソーシャルワークとは

 

ポストモダンの影響を受けた代表的なソーシャルワークとして

ナラティブアプローチが挙げられます。

 

ナラテイブは1990年ごろに出てきた思想・理論です。

 

この頃に出た思想・理論として他にも、

「エンパワメント」「ストレングス」が挙げられます。

 

どのアプローチも共通して、クライエントの短所に目を向けるのではなく、

クライエントの主体性・語りなどを基盤にしています。

 

ナラティブアプローチとは

 

ナラティブアプローチは

社会構成主義というポストモダンの影響を受けて生まれた

実践モデルです。

 

社会構成主義とは客観的・実証的な「現実」はなく、

現実というのは社会的に構成されたものと捉えます。 

 

例えば、普段何気なく外を歩いている風景

お腹がすいている・のどが渇いている状態

歩く風景は違うと思います。

 

空腹やノドの渇きを感じると、食べ物や水分を求めて

コンビニや自動販売機などが目に入り、

その周囲には意識をしなくなるはずです。

 

つまり、私たちの見ている現実は

ありのままに見ているのではなく、思い込みであるところ

が社会構成主義のポイントになります。

 

まとめ

 

ポストモダンとは「近代の後」いう意味です。

 

人類にとって普遍的な価値があったモダン(近代)を否定して、

出てきたのがポストモダンになります。

 

ポストモダンは多様性を尊重し、

ソーシャルワークにも大きな影響を与えました。

 

その代表がナラティブモデルであり、

ポストモダンの背景を基盤とした

社会構成主義が特徴になります。

 

ナラティブアプローチについては以下の記事で詳しく説明しています。

ご参考まで。

 

www.social-walfare.work