30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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【初心者向け】バイスティック7原則「個別化」をくわしく説明してみた

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相手の関係を良くするための基礎知識として知られる

「バイスティックの原則」

 

社会福祉士だけでなく、ケアマネ、介護福祉士の試験でも

幅広く取り上げられています。

 

なので、福祉に詳しくない人でも分かりやすく、

バイスティック原則を取り上げてみようかと思います。

 

今回はバイスティック7原則のひとつ

「個別化」から説明をしてみます。

 

個別化の原則とは 

 

バイスティック7原則のひとつに

「個別化の原則」があります。

 

「個別化の原則」とは

相談する人が抱える問題は、ひとそれぞれ違うということです。

 

人間って曖昧な存在であり、

その多様さを受け入れることが大切になります。

 

以前、社会福祉士の問題で出題された

ポストモダン的な考えとも言っていいでしょう。

 

私の場合、「個別化の原則」は”色”のイメージで捉えています。

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わたしたちは普段、赤、青、黄など名付けて、

区別をしていますが、色相の画像を見ると明確な境界線はなく、

色は無限にあることが分かります。

 

「色は無限にある」ように人もそれぞれ違う色があり、

同じものがないイメージが大切な要素です。 

 

頭で「個別化」を理解してもダメ

 

では、個別化の原則を鍛えるには

どうしたらいいでしょうか。

 

インターネットや本を読むなど

頭で理解しても、意味がありません

 

個別化に大事なのは、いろんな人と会い、

「人はそれぞれ違う」という体験を蓄積することが

きわめて重要です。

 

きっかけは何でもいいですが

外に出て、沢山の人と出会いを積み重ねる

努力をしましょう。

 

趣味サークル、自治会など何でもOKです。 

個人的にはボランティア活動がとても良い経験になったので、

オススメです。 

 

経験が個別化を曇らせる

  

しかし、個別化の原則を実践してみると、

手間がかかって面倒と感じてしまうものなんです。  

 

でも、決して手を抜かずに、全力で

相手と向き合っていく姿勢が求められます。

 

特に注意したいのが「経験」です。

 

これが個別化を曇らせる原因となります。

 

相談職の経験を積んでいくと次第に慣れてしまい、

マニュアル化した対応になること少なくありません。

 

そういったマンネリは、気づかぬ内に

「個別化の原則」から外れてしまいます。

 

そうならないためにも、

一人一人の関係の中で新しい発見があるという

常に自身をアップデートする意識が大切です。

 

知識も要注意!

 

また、経験と同様に「知識」も

個別化を邪魔する原因になります。

 

学生の時は、心理学や援助技術など学んだ知識は

実際に使ってみたくなるものです。 

 

わたしも社会福祉士の実習時、 

援助技術やアプローチなどをいろんな人で

試そうとしていました。

 

そんな中、学んだ知識を

相手に当てはめることに夢中になって、

まったく相手を見ていないことに気づいたんです。

 

つまり、知識やテクニックには

それを「応用しよう」と思った瞬間、

個別化の原則から外れてしまう罠が内在しています。

 

また、専門用語の多用もよくありません。

 

例えば、認知症でよく使われる「帰宅願望」「徘徊」があります。

 

認知症の人はそれぞれ、帰りたい理由、動き回る理由は異なりますが、

「帰宅願望」「徘徊」の言葉で片づけてしまうことが多いです。

 

確かに専門用語は便利ですが、

それに頼りすぎず、自分の言葉で表現する視点も大切です。

 

しかし、相手の気持ちを専門用語なしで言語化するのは

難しくて大変なもの・・・

 

個別化は大切だと知っているけど

ついつい多忙さで省いてしまわぬようにしたいですね。

 

まとめ

 

 「個別化の原則」とは

相談する人が抱える問題は、ひとそれぞれ違うということ。

 

頭で分かってもダメで、直接いろんな人と会い、

「人はそれぞれ違う」という体験を重ねることが大切です。

 

ただし、個別化は面倒であり、経験を積んでいくと

マンネリ化してやらなくなってしまうこともあります。

 

また、知識や専門用語の頼り過ぎも、

個別化の原則を曇らせる原因になりかねません。

 

社会福祉士は試験勉強や仕事を通して、

いろんな知識を覚える職業です。

 

しかし、その学んだ知識が「個別化の原則」を妨げる要素になるため、

知識・専門用語には十分気を付けましょう。