30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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【初心者向け】バイスティックの7原則の「意図された感情表出」について説明してみた

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社会福祉士の試験だけでなく、

介護職全般で学ばれる「バイスティックの法則」

 

前回は個別化を取り上げました。

 

www.social-walfare.work

 

その中でも「意図された感情表出」

ケースワークの基盤できわめて重要です。

 

また、バイスティック7原則の

受容、自己決定、統制された情緒的関与にも

強く関係しています。

 

なので、今回は「意図された感情表出」について

取り上げてみました。

 

意図された感情表出とは

 

「意図された感情表出」とは

クライエントの感情表出の場を保証することです。

 

まず、大切なのは「感情表出」というワードであり、

意味をよく理解しないといけません。

 

では、そもそも「感情」って何でしょうか?  

 

例えば、「喜ぶ」というのは、ゲームで強敵と戦い、

なんとか勝利した時、ふと「やったー」と声を上げたり、

ガッツポーズをしたりするような心の高ぶりを指すのでは

ないでしょうか。

 

その時、決して「自分は喜んでいる」と自覚していません。

 

やがて高ぶった気持ちが収まって、ふと我に返った時、

「喜び」と名付けて、その感情を客観的に意識しているはずです。

 

一般的に感情は「喜・怒・哀・楽」と区別されていますが、

それらは、心の高ぶりが抜けた死骸であり、本質的には違います。

 

本当の感情とは、

真剣に全身で現実と向き合って起こる反応です。

 

そして、感情表出とは、現実に対して全身で闘う中で

溜まった感情のマグマを噴き出すことです。

 

感情が表出すると相手はスッキリするような

デトックス効果があります。

 

それだけでなく、ワーカーにとって、無意識に表出された感情は

相手の抱える現実を知る手掛かりになるんです。

 

特に、怒りや悲しみという感情には、

「本当にしたい事、叶えてほしい事」が隠されています。

 

そのニーズを読み取り、支援に結びつけるのが、

ケースワークであるなら、感情表出の場を保証するのも

支援者にとって大切な役割と言えるでしょう。

 

どうやって「感情表出の場」を支えるのか

 

意図された感情表出のためには、

相手に対して「何もしていい」という

ワーカーの寛容さが必要です。

 

しかし、相手に「何もしていい」ということは、

突然、ワーカーを傷つける言動もあり得ます。

 

その時に、感情的にならずに、

あるがままを受け止める「受容の原則」

必要です。

 

また表出された感情は

ワーカーの感情を刺激し、呑み込まれやすいため

冷静な対応を取れないこともあります。

 

だから、ワーカーには統制された情緒的関与

が求められるのですね。

 

そして、相手が無意識に表出された感情から、

自分が何かしたいのか、冷静に受け止めができた時、

本当の気持ちを表現できるようになります。

 

表現するというのは、自分の意志を伝える事であり、

自己決定の原則に重要な要素です。

 

つまり、「意図された感情表出」を支える要素として、

受容、自己決定、統制された情緒的関与があると

いうことです。

 

決してバイスティックの原則はバラバラの理論ではなく、

意図された感情表出を基盤にして、他の原則をつないでいます。