以前、ソーシャルワークにおけるケースワークの
お話しましたが、今回はその続きです。
social-walfare-work.hatenablog.com
実際にソーシャルワーカーとして働くことになった場合、
どのような手順を踏んで支援をしていくのか
解説します。
ケースワークの展開について
主に個人や家族に向けた援助の場合、
問題を抱えるクライエントに会ってから、支援計画を作成し、支援終了までの、
流れは大きく7段階に分けることができます。
①問題を抱えるクライエントと出会う
まず、ワーカーがクライエントを見つけることから始まります。
そのクライエントを見つけるパターンは以下の3つ。
- クライエントが直接、相談窓口に行き、ワーカーと会う。
- ソーシャルワーカーなど支援者の方から問題を抱えている人を発見する。
- クライエントの周りにいる人(家族、近隣、民生委員など)から連絡を受け、発見する。
②クライエントと会い、相手のことを知り、信頼関係を作る。
クライアントと会ったら、
まずワーカーは大まかに相手の抱える問題を把握したり、
信頼関係を構築したりしていきます。
これを「インテーク」と呼びます。
もしインテークを通して、自分の所属する場所よりも、
より適切な機関があることに気づいたら、他機関に引き継ぐことも
大切な役割になります。
③支援計画をつくるための情報を集め、分析をする。
ここがソーシャルワークの展開過程で、一番大切なところです。
より相手を理解するために、クライエントやその家族など
コミュニケーションを通して、情報を集め、分析をしていきます。
これを「アセスメント」と呼びます。
そこから、クライエントの抱える問題の原因を探し、
それをもとに支援計画を作っていきます。
アセスメントにおいては、クライエントが抱えるハンディキャップが
社会生活の中でどう影響しているか考えることが
問題を発見するポイントになります。
<アセスメントにおいて大切なこと>
・ソーシャルワーカーはクライエントと協同してアセスメントを行う。
・利用者が何を求めているのか正しく知る。
・クライアントを取り巻く家族や近隣、通っている学校や病院なども
同時にアセスメントを行い、自立支援のために活用をしていく。
④支援目標の設定し、支援計画をつくる。
アセスメントで見えてきたクライエントの問題を解決するために、
支援目標を設定していきます。
また、支援目標はソーシャルワーカーとクライエントだけでなく、
支援を行う関係機関などの間でも共有されます。
そして、目標が決まったら、具体的な支援内容を決め、支援計画をつくります。
ただし、支援計画はワーカーが一方的に決めるのではなく、
クライエントも積極的に関わった方が望ましいです。
⑤支援計画の実行
その協力者・関係機関と意思を統一して、
しっかり支援体制を整えて、いよいよ支援計画が始まります。
⑥実際に支援計画が順調に進んでいるか確認する
ワーカーは計画を立てた後も、その経過を見る役割があります。
実際に支援計画が順調に進んでいるか確認することを
「モニタリング」と呼びます。
うまくいっていない場合はアセスメントをやり直し、支援計画を修正します。
また計画通りに問題が解決できると、
新たなニーズや希望が出てくることもありますので、
見逃さないようにしましょう。
⑦全体評価をする。
支援が終わるときにワーカーとクライエントと一緒に、目標が達成された
どうか確認していきます。たとえ目標が達成できなくても、
あとはクライエントだけで解決できると判断できる場合、支援終了になります。
ワーカー自身がその支援内容を振り返ることも、自身のスキル向上において
大切です。忘れずに自己評価しましょう。
最後に
今回は個人に向けた援助の流れを紹介しましたが、
特に④のアセスメントはおさえておきましょう。
社会福祉士の試験でも出てきますし、
実習でも大半の時間がアセスメント作業で占めています。
これがうまくいけば支援計画書も書けるようになりますので、
学校を卒業するまでにはマスターしておくと、今後が楽になりますよ。