社会福祉士の学校で「ソーシャルワークの価値」について
レポートが出たけど、どう書けばいいかわからない人に向けて
前編・後編に分けて、簡単にレポートっぽく書いてみました。
レポートを読む前の確認事項
まず、「ソーシャルワークの価値」について抑えていきましょう。
大まかにいうと、今日までソーシャルワークを実践して得た知識や技術などを
集めたものが「ソーシャルワークの価値」です。
社会福祉士の倫理綱領による「ソーシャルワークの価値と原則」において、
以下の5つを取り上げています。
1、人間の尊厳‥どんな人に対しても差別をせず、その人の存在を大切にすること。
2、社会正義‥貧困、虐待、爆破テロなどの社会問題や争いのない、だれもが平和に暮らせる社会を実現すること。
3、貢献‥さっき述べた「人間の尊厳」と「社会正義」に貢献する。
つまり、片方に偏ることなく、個人と社会の両方ともに働きかけること。
4、誠実‥社会福祉士の倫理綱領に書かれていることを守る。
5、専門的力量‥ソーシャルワークを学んで、現場で発揮すること。
また、現状に満足せず、自身のソーシャルワークが成長するように努めることも大切になります。
この5つが社会福祉士における「ソーシャルワークの価値」といわれていますが、
本レポートは「人間の尊厳」を中心に書いていきます。
レポートのタイトル:Mr.Childrenの名曲『GIFT』から分析する「ソーシャルワークの価値」について。
ソーシャルワークの価値が分かりにくいので、
Mr.Childrenのシングル曲『GIFT』から考えてみました。
Mr.Childrenのシングル曲『GIFT』とは
『GIFT』は2008年にリリースされた32枚目のシングル曲です。
現在、Youtube公式チャンネルでPV(Shortバージョン)が見られます。
この『GIFT』は2008年に開催された北京オリンピック・パラリンピックにおける
NHK放送のテーマソングとして流れていました。
作詞・作曲を手掛けたボーカル・桜井和寿氏は『GIFT』について
(オリンピック・パラリンピック競技で)勝利を収められなかった人の中にも、また勝ち負けのない日常の中で一生懸命暮らしている人の中にも、どんなメダルにも負けない輝きが一人一人にあると思っています。
とコメントしています。
この曲は五輪の金・銀・銅メダルよりも、「もっと大切な価値がある」というのがテーマです。
その価値は五輪競技の枠を超えて、日常で暮らす私たちにも、金・銀・銅メダルより、素晴らしい「価値」があることを唄っています。
『GIFT』の歌詞から分析するソーシャルワークの価値
まず、この曲は「色」を人の持つ価値と置き換えて表現しています。
ここで、注目したいのが1番のサビにある歌詞です。
「白か黒で答えろ」という難題を突きつけられ
ぶち当たった壁の前で僕らはまた迷っている
迷ってるけど 白と黒のその間に無限の色が広がってる
ここの「白と黒のその間に無限の色が広がってる」という歌詞は
人の価値はそれぞれ違い、無限にあると解釈できます。
整理すると、
人それぞれの色(=価値)が違うのに、「白か黒で答えろ」
という難題を突きつけられ、僕らは壁にぶち当たり迷ってしまう。
となります。
人の色はそれぞれ違い、無限にあるのに、白か黒で答えることはできません。
でも、「白か黒で答えろ」と無茶ぶりをされ、私たちは困っているのです。
では、「白か黒で答えろ」と難題を突き付けているのは誰?
次に「白か黒で答えろ」というフレーズに注目していきます。
「白黒つける」という言葉があるように、このフレーズには物事をはっきりさせる
ニュアンスを含んでいます。
そして、無限にある色を「白・黒」の2つだけで区別しようとする。つまり、色の多様性を認めないという意味が「白か黒で答えろ」に含まれています。
では、誰が「白か黒で答えろ」と言っているのでしょうか。
この問いはソーシャルワークの価値「人間の尊厳」において、
とても大切なポイントになります。
つまり、人それぞれがもつ多様性を認めない「何か」があって、
わたしたちはその多様性を受け入れることができないんです。
その正体が明確になれば、きっと「人間の尊厳」を実現する手掛かりになるはずです。
続きは下の記事【後編】で、その「白か黒で答えろ」と言っている
犯人について考えてみます。