30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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塗り薬・ヒルドイド違法使用が頻発した原因は、医療保険で得したい人が多いから!

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塗り薬・ヒルドイドが医療以外に使われている・・・

塗り薬として使われる「ヒルドイド」の違法使用が問題になっています。

 

ヒルドイドは簡単に説明すると、

乾燥肌で皮膚のかゆみがある人に使うぬり薬です。

皮膚の保湿とかゆみ止めが主な効果になります。

 

このヒルドイドが「肌トラブルに効く」と口コミで広がり、

美容のために医療保険で安く手に入れようとする女性が増えました。

 

でも、美容のために医療保険を利用するのは違法です。

しかも、全国で年間「93億円」が美容目的でヒルドイドが使われているとのこと。

 

なんでこんな問題が起きたのでしょうか。

 

それは、

みんな医療保険で得したいと思う気持ちが強かったから

です。

 

でも、医療保険を正しく理解せず、単に薬が安くなる発想

が広まったら、ヒルドイドだけでなく、

医療保険自体が危機に陥りますよ・・・

 

医療保険を「お得な制度」と勘違いしている

みなさん医療保険って、

保険料払えば、薬が1~3割の値段で手に入ることは

ご存知だと思います。 

 

でも、あるルールを守らないと医療保険は使えません。

 

医療保険には「相互扶助」の精神があり、

簡単にいうとみんなで少額の保険料を集めて、

本当に困っている人に保障をする原則があります。

 

たとえ、保険料を払っているのに、薬を処方してなくても、

そのお金が本当に薬を必要とする人に使われているので、

誰かの役に立っているんです。

 

だから、美容目的で使うのは私用なことなので、

違法とされています。

 

もはや相互扶助の精神がなくなっている

 

1961年に医療保険がスタートしましたが、

その時代は薬が欲しくても、高くて買えなかったから

みんなこの保険ができて、ありがたみを感じていたと思います。

 

その当時はみんな「相互扶助」の精神が必ずあったはずです。

 

ところが、いつの間にかその「ありがたみ」が消えて、

「薬を安く手に入れること」が、

当たり前の権利だと思うようになったのでしょう。

 

「自分だけが良ければいい」という考えが強くなって、

美容目的で医療保険を使って、ヒルドイドを購入する人が増えたのが、

この問題の本質になります。

 

まとめ

塗り薬・ヒルドイド違法使用が頻発したのは

医療保険の相互扶助を知らない人が増え、

「保険料を払えば、薬が安くなる」と思う人たちが

増えてきたからです。

 

もちろん、好き勝手に医療保険で薬を購入すれば、

制度は破たんしますので、絶対やってはいけません。

 

ヒルドイドだけの処方を保険適用外にするかどうか

議論が交わされていますが、

わたしは「規制」よりも、医療保険の助け合いの精神を

もっと多くの人に伝えた方がいいと思います。

 

厚生省や健康保険組合などの方は、取り締まりだけでなく、

相互扶助を教育する視点も踏まえて議論して欲しいものですね。