わかりづらいアウトカム評価
2018年の4月から、介護保険制度の改正で
デイサービスに新しく「アウトカム評価」が導入されました。
アウトカム評価ではADL向上に努めた
通所介護・地域密着型のデイサービスに対して、
追加報酬をもらえます。
しかし、アウトカム評価は分かりづらいので、
なるべくわかりやすく説明してみました。
アウトカム評価とは
アウトカム評価とは、
ADLの向上または維持に努めるデイサービス事務所が
現在利用している要介護者から特別に単位を請求できるシステムです。
請求できる単位は3単位/月【ADL維持等加算(Ⅰ) 】ですが、
要支援の利用者は報酬の対象に入りませんので、ご注意ください。
請求できる期間は、その年の4月から来年の3月まで。
市役所に申請するのが遅くなればなるほど損します。
ただし、報酬をもらうためには、申請する前年度に利用した
要介護者を対象にバーセルインデックス(Barthel Index)を用いて点数を出し、
ADLの向上・維持をした証拠を市役所に示さないといけません。
あと、この評価を出す上で、いくつかの算定用件があり、
全てクリアする必要があります。
これが結構やっかいなんです・・・
また、バーセルインデックスを用いた評価を継続し、市役所だけでなく、
国民健康保険団体連合会にも報告をすれば、ADL維持等加算(Ⅰ) から、
月に6単位もらえる【ADL維持等加算(Ⅱ) 】にバージョンアップできます。
アウトカム評価を出す前に確認するべきこと
まず、報酬をもらうためには、
バーセルインデックスを用いて評価を出す必要があります。
ちなみにバーセルインデックス(Barthel Index)の評価表はこちらでダウンロードできます。
評価対象になるのは、アウトカム報酬の申請する
前年度の1月から12月の間に連続して6か月以上利用した要介護者になります。
ちなみに、「連続して6か月以上利用」と言うのは、
毎月に最低でも一回の利用が6か月以上継続できていることを指します。
例えば、平成30年4月からアウトカム評価報酬をもらう時、その前年の
平成29年1月~12月で毎月一回以上の利用を6か月以上続けている
要介護者を対象に評価を出します。
しかし、その総数が20人以上を満たさないといけませんので、ご注意ください。
アウトカム評価の方法
さて、ここからアウトカム評価の方法をお話します。
アウトカム評価を出すにあたって、事業所の機能訓練指導員が
評価対象利用期間の最初の月と、その最初の月から起算して6か月目の
それぞれにおけるバーセルインデックスの点数を出します。
ちなみに、評価対象利用期間の最初の月に出た点数を「事前BI」
最初の月から起算して6か月目の点数を「事後BI」といいます。
そして、事後BIから事前BIを引いた点数「BI利得」を求めます。
現在もデイサービスを利用している要介護者は、
1月のBI値と6月のBI値の差を求めれば大丈夫です。
もし、入院などで期間が空いた、新規の利用者が入った場合は
評価対象利用期間である最初の月と、その6か月目が何月になるのか
確認した方がいいでしょう。
それぞれ利用者のBI利得が上位85%(端数切り上げ)の利用者
を対象に、BI利得が0より大きければ1、0より小さければ-1、
0ならば0としてカウントし、その合計が0以上であればOKです。
あと、注意するべき条件が3つあります。
- 評価対象利用期間中の最初の月において、要介護度が3~5である利用者が15%以上含まれること
- 評価対象利用期間の最初の月の時点で、初回の要介護・要支援認定があった月から起算して12月以内であった者が15%以下であること。
- 評価対象利用期間の最初の月と、当該最初の月から起算して6月目に、事業所の機能訓練指導員がバーセルインデックス(Barthel Index)を測定しており、その結果がそれぞれの月に報告されている者が90%以上であること
これらの条件をすべてクリアできれば、ADL維持加算をとれるようになります。
最後に
通所介護のアウトカム評価を説明してみました。
できたばかりなので、不明確なところも多く、
たったの1桁しか単位をもらえないなら、
ADL維持加算はいらないと思う人もいるでしょう。
しかし、ADL維持加算を取ることで、
このデイサービスはADL向上に力を入れていると
利用者やその家族に宣伝する効果が期待できます。
細かいところは、市役所に問い合わせをすれば、
教えてくれますので、手続きが非常に面倒ですが、
やってみる価値はあるはずです。