30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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介護職のやりがいは人に感謝される事ではなく、人と関わる幸せを感じる事にある

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本当の介護職のやりがいとは何だろうか

介護の仕事についてどんなイメージがあるでしょうか。

 

一般的に介護は身体的・精神的にストレスがかかる大変な仕事

思っている方が多いかと・・・

 

その一方、「人に感謝される」というやりがいが魅力と

よく言われています。 

 

しかし、本当に介護職のやりがいは「人に感謝される」から

なんでしょうか。

 

わたしは疑問に思います。

 

その理由は2つあって・・・

 

1つ目は、すべての仕事は人に感謝されるものであり、

介護だけが特別ではないこと。

 

2つめは、介護の仕事とは入浴・排せつ・食事と決まったことをこなすだけで、

そんなマニュアル化した作業では、相手が心から感謝できないと思うからです。

 

介護職のやりがいは人に感謝される事ではありません。

 

人と関わる幸せを感じる事にあります。

 

そのことを実体験を通して、話してみました。

 

お泊りデイであった出来事

 

わたしがお泊りデイサービスで夜勤をしていた時の話です。

 

夕方5時から日勤の職員と交代で入るのですが、

その日は多忙だったため、

昼食やおやつで使った食器が片づけられていませんでした。

 

夜勤は夕方5時から7時までに、施設の掃除や食事の準備を終わらせなければ

いけないので、そこに食器の片づけをしてたら間に合いません。

 

なので、お泊りをしている女性利用者の一人に

「お願いします。食器を拭くのを手伝ってくれませんか」

言い、本気で助けを求めました。

 

そうすると快諾してくれ、

一緒にキッチンで大量の食器を片付けることに・・・

 

その女性利用者は90歳を超えて認知症を患っていますが、

丁寧に食器を拭いてくれて、なんとか乗り切ることができました。

 

そして、キッチンをきれいにし、その手伝ってくれた利用者がフロアーに戻るとき、

たまたま近くで見ていた別の利用者が、「食器を片付けてくれてありがとう」

と笑って声をかけたんです。

 

この時、わたしのケアが他利用者の幸せにつながった瞬間を感じました。

 

施設にいるスタッフ、その利用者という関係を超え、

一人一人が互いを支え合うスゴさに気づいたのです。

 

人は支え合うときに幸せを感じる

 

わたしが尊敬する作家・司馬遼太郎さんは「人間」について

こう述べています。

私は、人という文字を見るとき、しばしば感動する。ななめの画がたがいに支え合って、構成されているのである。そのことでも分かるように、人間は、社会を作って生きている。社会とは、支え合う仕組みということである。

引用先:二十一世紀に生きる君たちへ 

 

ここで強調したいのは、

互いが支え合う時に感動があること。

 

そして、今回のお泊りデイの経験で人と関わる幸せを強く感じました。 

 

これこそ、介護職のやりがいではないかと思います。

 

お泊りデイや老人ホームなどの福祉施設も一つの「社会」であり、

お互いが支え合って生きていくことが大切さに気付くことができました。

 

ケアをする側、される側だけでなく、 

周りにいる利用者やスタッフにも良い影響を与えるようなケアにやりがいを

感じれる人が増えれば、多くの人が幸せになるのではと思います。

 

あと、今回は紹介した司馬遼太郎さんの『二十一世紀に生きる君たちへ 』は

涙が出るほど感動する本です。

 

元々は小学生の教科書用に書かれたもので、簡潔な文章ですが、

そこに込められた熱いメッセージに心を打たれます。 

二十一世紀に生きる君たちへ (併載:洪庵のたいまつ)

二十一世紀に生きる君たちへ (併載:洪庵のたいまつ)