30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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女優・森公美子が語る夫の介護から「バリアフリー」のあり方について考えてみた

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バリアフリーについて考える

みなさん「バリアフリー」という言葉はご存知でしょうか。

 

大体、誰もが利用できるように、

建物を改装・整備するイメージを連想するかと思います。

 

しかし、バリアフリーは建物やハードだけでなく、

わたしたちの意識や行動とても大切な要素なんです。

 

今回は、女優・森公美子が語る夫の介護から

「バリアフリー」のあり方について考えてみました。

 

森公美子氏が語る介護で大切なこと

 

バラエティ番組『梅沢富美男のズバッと聞きます!』で

森公美子さんが夫の介護体験から感じた高齢者福祉の問題について、

司会の梅沢富美男さんやゲストの長嶋一茂さんと討論を行いました。

 

2006年に、森公美子さんの夫が交通事故にあい、頭を打って右半身不随になり、

車いすで生活を送っています。

 

森公美子さんは夫の介護に悩んでいた時期があり、

介護士の方に「プロにまかせればいい」と言われた時、

家族だけですべて負担をかかえる必要はないと気づいたようです。

 

そこから、森公美子さん、夫ともに気持ちが楽になったとのこと。

 

そして、森公美子さんは

家族だけで介護をしていると、外の接点がなくなるから、

その接点をなるべく多く作ってあげることが大切だと訴えます。

 

そして、森公美子さんは

「主人連れて車椅子で寿司屋に入って、注文は自分でしてって言ったら、『アナゴ』とか、『ずけが食べたい』とか、ちゃんと言えるようになったので、リハビリと称して寿司屋に行ってどんどんしゃべらせている」

 と話していました。

 

また、

「夫が『ニューヨークに行きたい』と言っていることから、2人で行く計画を立てているんです。車椅子でどこまでいけるか調べると、意外とニューヨークでもそういうサービスやボランティアがあるので、2020年度ぐらいには行こうかな」

と将来のプランも考えているようです。

 

長嶋一茂さんの発言から考える「バリアフリー」のこと

 

長嶋一茂さんは、森公美子さんのコメントに対し、

「さまざまな考え方はあるが、バリアフリーというのも一概にいいとは言えない。安全すぎると生命維持の本能が弱まる可能性がある。危険に対して頭を使う環境の方が治癒に向かう、という話をされたことがある」

 と発言します。

 

このコメントについて、みなさんはどう思うでしょうか。

 

バリアフリー化は生きるための本能が弱まるため、

しない方が、自分自身で創意工夫をし、頭を使う点で治療に効果がある

という意見です。

 

でも、本当に安全すぎると「生きる本能」は弱まるのでしょうか。

 

わたしはまったく反対で、危険があるからこそ、

「生きる本能」を奪っているのだと思います。

 

危険、つまり「高齢者に何かあったらいけない」から、

外出を制限され、部屋に閉じ込める環境を作り出し、

その結果、高齢者の生きる本能を弱めているのではないでしょうか。

 

長嶋一茂さんは元プロ野球選手だったため、

スパルタな環境が大切だと思う気持ちは分からなくもありません。

 

でも、これは健常者だから言える発言です。

 

介護を受ける高齢者はハンディキャップを持っており、

長嶋さんのような健常者とは違います。

 

障がいをもつ高齢者を健常者と同じ土俵でみるスタンスは

コメンテーターを務めているのに、残念です・・・

 

バリアフリーはみんなの意識が大事

 

「野球観戦にいきたい」

 

「ショッピングを楽しみたい」

「寿司を食べに行きたい」など思うけど、何かあったらいけないから、

できない高齢者がいます。

 

だから、「何かあったら」を保障してくれる

バリアフリーという概念があり、高齢者の日常を支えてくれるのです。

 

ただ、わたしたちはバリアフリーを建物やハードと捉えがちですが、

「人のバリアフリー」もとても大切になります。

 

駅で車いすの方を乗車させる時、

駅員がスロープを出して、移動を手伝うような感じです。

 

ショッピングモールに出かける時、

お店側の方が案内役をおくとかもいいかもしれません。

 

そうすれば、店側は商品が売れるし、町全体に活気が出ますし、

高齢者も外出機会も増えて、介護予防に効果も期待できます。

 

政府も要介護者の自立を考えているようなら、

高齢者の外出ができるような支援を考えたほうが

いいのではないでしょうか・・・

 

結局、バリアフリーはわたしたちの意識で変わるものです。

 

これから高齢化が進む日本にとって、

この視点は大切なことであり、森公美子さんの介護体験は

それを感じさせてくれました。