30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

ブログタイトル

障がい者が暮らしやすい社会は、健常者にとっても暮らしやすくなる

障がい者福祉をテーマにした

『こんな夜更けにバナナかよ』が映画化され、

テレビなどで宣伝を見るようになりました。

 

その原作者である

渡辺一史さんがなぜ人と人は支え合うのか』という

新刊を出したのはご存知でしょうか。

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本書は著者の介助体験をベースに、

障害や福祉について改めて考える内容となっています。

 

本当に良い内容だったので、

少し紹介していきたいと思います。

 

障がいとは何か

 

皆さんは障がいについてどんなイメージを

抱いているでしょうか。

 

身体や精神など、何らかの欠陥があり、

ハンディキャップを持っている人と

思っている方が多いかと・・・

 

しかし、渡辺さんは

障がいは社会の在り方が大きな要因である

と言っています。

 

ハンディキャップを持っている人に対して

社会が無関心で、不自由と感じさせるとき、

「障がい」と呼ぶという捉え方です。

 

障害という表記について 

 

障害者を表記する時、この「害」の表記について

議論になることがあります。

 

一般的には、障害とは個性であり、

害」は悪いイメージと捉えるから、

障”がい”と、ひらがなに表記するべきという意見があります。

 

しかし、 渡辺さんは、障”がい”ではなく、

障”害”と表記するべきだと主張します。

 

それはなぜでしょうか。

 

それは、障害の「害」は、

社会によって生み出されると捉えているからです。

 

障害者がいることは、社会に何か問題があり、

健常者がそれを自覚するために「害」と表記するべきだと

いっています。

 

障害者について考えることは、健常者について考えること

 

障害者は生産性がなく、税金を多くかけているだけで、

排除した方が良いという「優生思想」があります。

 

その「優生思想」が際立ったのが、

2016年に相模原市で起きた障害者殺傷事件です。

 

本書ではその事件に触れて、障害者を排除するよりも、

障害者について考えることが大切だと言っています。

 

そして、障害者について考えることは、

障害者・健常者共に暮らしやすい社会を考えること

につながっているそうです

 

確かに、私たちは高齢になれば、身体も衰え、認知症にかかり、

障害を持つリスクは十分にあります。

 

また、不慮の事故で急に障害者になることもあるでしょう。

 

だからこそ、障害者が暮らしやすい社会は自分自身に

ついて考えることでもあります。

 

まとめ

 

障がいについて、

渡辺一史さんがなぜ人と人は支え合うのか』

を取り上げて、考えてみました。

 

障がいと言うのは身体が不自由のような

ハンディキャップを負うよりも、

健常者である私たちの方に大きな要因があります。

 

そして、

障害者について考えることは、

障害者・健常者共に暮らしやすい社会に

つながるということ。

 

著者の体験がベースになっているので、

分かりやすく、とても勉強になりました。