30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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デイサービスの利用者から聞いた「仕事」についてのちょっと深い話

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わたしは高齢者デイサービスで働いています。

 

そこで関わる高齢者は人生の先輩です。

その人の経験を聞くことで学ぶことがたくさんあります。

 

今回は「働き方」について、

ちょっと良い話をしてくれた方がいたので、

紹介します。

 

辞めたいと思う余裕もなかったなぁ

 

今回、紹介するのはAさんです。

 

Aさんは95歳の女性の方で、

認知症を患いながらも、歩行は自立。

会話もしっかりできます。

 

よくトイレの場所が分からなくなり、

夜中ウロウロすることがよくありますが、

笑いが絶えない、小柄で元気な方です。

 

しかし、Aさんの若い頃は百姓

牛やヤギを飼ったり、作物や蚕を育てたりして

生計を立てながら、同時に子育ても女手一つで頑張っていました。

 

あまりの忙しさに、遠くへ外出をしたことがなかったそうです。

 

そんなAさんに、わたしは

「百姓をやめたいと思ったことはありませんか」

と尋ねたことがありました。

 

するとAさんは

「やめたいと思う余裕もなかったなぁ」

と一言。

 

正直、「百姓をやめたかった」と言うだろうなぁと思っていましたが、

予想外の返事で驚いてしまいました。

 

仕事を辞めたいと思う時はまだ余裕がある

 

Aさんの若い頃は、戦争の影響で、

食料もなく、生きるのに必死になっていた時代です。

 

だから、Aさんは飢えないために、

百姓を続けるしか選択肢がなかった。

 

当時は、忙しすぎて「やめたい」と思う余裕もなく、

それだけ真剣だったのでしょう。 

 

裏を返してみると

「仕事をやめたいと思うのは、まだ余裕がある状態」

とも言えます。

 

わたしたちはよく仕事で悩み、時には

「やめたい」と思うことがあります。

 

しかし、仕事を辞めたいと悩むのは、

自分に考える余裕あるから、できることなんですね。

 

余裕があるから、わたしたちは

インターネットでその答えを探そうとしたり、

他人にアドバイスを求めたりするんです。

 

ただし、「悩んではいけない」と言っているわけでは

ありません。

 

でも、悩む余裕がない程、全力で仕事に取り組んだら、

本来眠っていた自分の能力が発揮できるのはないかと思うんです。

 

Aさんの発言はそんなことを感じ取れました。 

 

まとめ

 

わたしのデイサービスにいる利用者Aさんから

聞いた「仕事」についてのちょっと深い話をご紹介しました。

 

若い頃、戦争の影響で百姓と子育てを必死に頑張っていたAさん。

 

だからこそ、百姓をやめたいと思うことなんて考える暇が

なかったのだと思います。

 

逆を言えば、仕事を辞めたいと思っているのは、

まだ自分に余裕がある状態と言えます。

  

もし、Aさんみたいに、悩む余裕がない程、

全力で仕事に向かい合ったとき、

きっと新しい自分を発見できるかもしれません。