30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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仮現運動は知覚的補完の一つであるのかどうか調べてみた

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社会福祉士試験 第31回(平成30年度)の

心理学理論と心理的支援で

「仮現運動は、知覚的補完の一つである」という選択肢があります。

 

この選択肢は「正解」です。

しかし、なぜ正しいのか分からないので、

知覚的補完と仮現運動について調べてみました。 

 

知覚とは何か

知覚的補完という言葉にある「知覚」とは何でしょうか。

 

広辞苑によると、知覚とは

感覚器官への刺激を通じてもたらされた情報をもとに、

外界の対象・形態・関係および身体内部の状態を把握するはたらき

 

端的にいうと、知覚というのは「脳」によるはたらきです。

 

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚から得た情報が

脳に送られて、処理を行う過程で成り立っています。

 

なので、感覚器官から脳のプロセスを通して

自分や周りの環境を把握することができる働きが、

「知覚」です。

 

知覚的補完とは何か

しかし、脳というのは感覚器官から、

送られた情報をただ受け取っているわけではありません。

 

脳には効率よく処理できるように、

不完全な情報を想像力で補う機能があり、

心理学では、このような働きを「補完」と呼んでいます。

 

例えば、点を連続して書いてみると、

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

こんな風に一本の線のように見えますよね。

 

これは、点の間にある空白を埋めるという

知覚的補完のはたらきによって、

脳は「直線」と認識しているからです。

 

このような視覚から入ってきた情報を補完するはたらきを、

「視覚的補完」といいます。

 

しかし、

補完」は視覚だけでなく、聴覚・嗅覚・味覚・触覚の感覚器官からの

情報にも働きかけます。その全てを含んだ補完を「知覚的補完」といいます。

 

知覚的補完と仮現運動の関係とは

以上をまとめると、「知覚的補完」とは、

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚から得た情報に対して、

処理を効率化させるために、脳が想像力で補う働きであるといえます。

 

それを踏まえて、

仮現運動は知覚的補完であるのか考えていきます。

 

仮現運動とは 

仮現運動とは、アニメや映画のように、

実際に動いていないが、連続した類似の刺激を与えられると

その対象が動いているように感じる現象です。

 

α運動、β運動、γ運動などの種類に分かれています。

 

そして、視覚だけでなく、触覚や聴覚でも生じる現象です。 

 

つまり、仮現運動とは視覚、触覚、聴覚の情報から現れた対象が、

実際には運動していないのに、あたかも運動していると感じる

「補完」が起きる現象であり、「知覚的補完」の一つであるといえます。