30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

ブログタイトル

ソーシャルワークの専門性ってテキストだとよく分からないから、別のアプローチで考えてみた。

はじめに

日々支援をする中で、よく耳にする「ソーシャルワークの専門性」

 

授業やテキストで説明されているんですが、

イマイチ分かりづらいし、実際の支援では役に立たない感じがあります。

 

今回は分かりづらい「ソーシャルワークの専門性」を、

別の角度で考えてみました。

 

ソーシャルワークの専門性について

 

まずはテキストっぽく専門性について考えてみます。

 

ソーシャルワークは、何か困っていたり、弱っていたり、

社会的立場が不利な人などを支援します。

 

医師や介護士のように、直接的に相手をケアするものではなく、

ソーシャルワークは、本人が抱えている問題に対して、

本人自身が主体となって解決できるように導きます。

 

支援者にお任せするだけではいけないんですね。

 

そして、ソーシャルワークには

「個人と環境との相互作用」というものがあり、

①個人

②環境

③個人と環境の接点

以上の3点へ支援者(ワーカー)は働きかけて、

相手の問題を解決していきます。

 

つまり、ソーシャルワークの専門性は、

「その問題を抱えた本人」と「本人を囲む環境」の関係性を用いて、

本人が主体となって解決できるように支援する所にみられます。

 

依存先が多いほど自立できる

これからが本題です。

 

ソーシャルワークの専門性を分かりやすく説明するため、

その前提となる「自立」の意味について、

動画を通して考えてみます。

 

 

小児科医の熊谷さんは「自立」の必要条件として

①依存先が多い

②依存先に支配されない

をあげています。

 

ちなみに、依存先というのは、

家族、友人、会社、地域という関係だけでなく、

お金や自分の身体、頭脳など個人が所有するもの・能力も含まれています。

 

熊谷さんにとって、自立している人(健常者)は

依存できる資源が豊富にあるので、

目的を達成するための選択肢が多いと言います。

 

逆に依存先が少ない人(障がい者)は、頼れる資源が限られるため、

その依存先に支配されやすいとも言います。

 

つまり、自立と依存は正反対な意味ではなく、

依存先が多い状態が「自立」なんですね。

 

ソーシャルワーカーは依存先を見つけるプロ

 

「自立」が「依存先が多いこと」としたら、

ソーシャルワーカーは依存先を見つけるプロフェッショナルです。

 

ワーカーは相談者から話を聞いて、頼れる人、

公共機関、使える制度などの社会資源を見つけて、

問題解決への選択肢を提供してくれます。

 

そして、提示された選択肢をもとに、

相談者に決めてもらい、支援をしていきます。

 

依存先が増えることで、問題が解決したり、

今まで支配された関係性から解放されたりします。

(いわゆる「エンパワメントと解放」というやつです。)

 

一言でまとめると、

ソーシャルワークの専門性とは依存先を見つける(または増やすこと)で選択肢を多くして、相手の意向を聞き、支援する。

 

その結果、相談者が自立できるようになるわけです。

 

さいごに

今回はソーシャルワークの専門性について、

変わった視点で取り上げました。

 

自立を「依存先が多い状態」としたとき、

ソーシャルワークの専門性は「依存先を見つけること」

に発揮されます。

 

専門性はとても曖昧でわかりづらいですが、

この記事から少しでもヒントがあったらうれしいです。