30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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【社会福祉士試験対策その2】 COS(慈善組織協会)ついて、簡単にまとめてみた。

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はじめに

 

以前、ソーシャルワークを理解するために、

リッチモンドとアダムスを紹介しました。

 

social-walfare-work.hatenablog.com

 

そして、彼女らが活躍した時代にあった

COS(慈善組織協会)という組織もソーシャルワークの起源に大きく

関わっています。

 

また、平成28年の社会福祉士の試験でも

COSについて取り上げていますので、 

これを機会にソーシャルワークの歴史や意義をおさえましょう。

 

COS(慈善組織協会)とは

 

COSは"charity organization society"の略です。

1869年、イギリス・ロンドンで誕生しました。

 

19世紀のイギリスは資本主義が発展する一方で、

国民の貧富の差が拡大し、貧困問題が深刻になっていました。

 

もちろん、貧困に苦しむ人たちに個々で慈善活動をしてましたが、

援助が特定の場所に集中して、必要な人に届かないことがありました。

 

なので、COSは今までバラバラで行われていた援助活動を

多くの慈善団体に連絡・調整し、まとめることで、漏れがなく支援が広く行きわたるようにしました。

 

そのため、COSは「コミュニティワーク」

さきがけとなる組織といわれています。

 

ちなみに、コミュニティワークは以下の記事で紹介しています。参考まで。

 

social-walfare-work.hatenablog.com

 

COSの「友愛訪問員」が今日におけるソーシャルワークの基盤になる。

 

COSはさまざまな慈善団体を連絡・調整する役割だけでなく、

貧困に苦しむ一人一人に向けた支援にも

力を注いでいました。

 

COSは「友愛訪問員」(friendly visitor)と呼ばれる

ボランティアを募り、家庭へ個別に訪問する活動を

行いました。これがケースワーカーの根源とされています。

 

そして、COSの活動は海外まで波及し、

1877年にアメリカのニューヨーク州

バッファローに誕生したのをきっかけに

アメリカ全土にも広がっていきます。

 

1900年代ごろには今まで培ってきた「友愛訪問員」のノウハウをまとめ、

それを教育することで、プロを育成(専門化)する動きが出てくるようになります。

 

※補足ですが、第29回(平成28年度)社会福祉士の試験<問題93>では

「友愛訪問員」のノウハウをまとめることを試験では

「科学化」と難しい言葉を使っています。解釈は、

そのノウハウを言葉にして、学問にするイメージでいいと思います。

 

これがソーシャルワークの始まりとも言われ、その専門化に大きく貢献したのが、

アメリカでCOSの職員として働いていた

リッチモンドでした。

 

リッチモンドは1917年に『社会診断』(Social diagnosis)

ソーシャル・ケースワークとは何か』(What is Social Case work)

を著し、ソーシャルワークの実践における専門化を追究していきました。

 

まとめ

 

COSは多くの慈善団体を連絡・調整する役割だけでなく、

「友愛訪問員」という個別支援という役割を担っていました。

 

そして、COSはアメリカにも広がり、

友愛訪問員の活動で得た実践を学問にする(=科学化する)ことで、

専門化を進めます。特に専門化に貢献したのはリッチモンドでした。

 

さらに理解を進めたい人には

この本を読んでみるといいですよ。

cosの説明は全くありませんが、

19世紀における貧困について詳しく分析しているので、

ソーシャルワークの歴史を理解するのにとても役立ちますよ。